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【リンダーペスト=牛疫】
  【病原】
牛疫ウイルスはParamyxoviridaeのParamyxovirinae,Morbillivirusに属します。
  この属には、麻疹、犬ジステンパー、小反芻獣疫の各ウイルスが属しており、互いに非常に似ています。血清型は単一とされていますが、病原性や生物学的性状の面では流行株間に差異が認められます。ウイルスは凍結乾燥または-70℃では1年以上保存可能です。熱処理には弱く、pH安定性はウイルス株によって様々ですが、多くの場合、至適pHは7.2〜8で、4〜10.2では比較的安定です。この範囲以上でも以下でも速やかに不活化されます。またエンベロープを持っているので、クロロホルムやエーテルには感受性で、汚染畜舎は5%フェノールか脂質溶解性の消毒薬(例えば4%クレシルなど)で消毒します。

【分布・疫学】
  本病は4世紀以降、アジア、アフリカ、ヨーロッパの各地で大流行し、ヨーロッパだけでも1740年代と1750年代に200万頭もの家畜が死亡しました。29世紀初頭にはアジア、ヨーロッパの辺縁、東及び南アフリカが流行地でした。その後、国単位や国際的なワクチンキャンペーンが熱心に遂行されたおかげで発生率は急激に減少。しかし、1970年代と目された撲滅には至らず、再び西アフリカ各地で大発生を起こし、さらに東や北アフリカ、中近東へと広がっていきました。

現在では赤道付近北側のアフリカ、中近東インド亜大陸常在地帯で、今なお畜産に被害を出しています。豚、ヤク、ラクダも感受性ですが、自然感染に対して最も感受性の高いのは牛と水牛で、野生動物ではカモシカ、キリン、イノシシなどの偶蹄目の多くが感受性です。過去に地域的に激減した事も有りますが、家畜の反芻獣の数が大幅に減ると、野生動物での発症は見られなくなりますが、反対に野生の偶蹄類に病原性の低い牛疫ウイルス株が感染してキャリアとなり、家畜の大流行を招くとも考えられます。

牛の牛疫ウイルスに対する感受性には、年齢、性の差は無く、牛疫の処女地帯に本病が潜入すると全ての牛が感染してしまいます。しかし、本病の常在地域では、特徴的な年齢分布を示す発病が見られます。牛疫は自然感染から回復しているかワクチン接種を受けており、乳を飲んでいる子牛は母牛からの移行抗体により、いずれも免疫能を獲得しているので抵抗性ですが、これらの年齢の間の若い牛の発生率のみが高くなっています。また、牛の品種によっても感受性が異なり、和牛や朝鮮牛は非常に高い感受性を持ちます。致死率は、牛の免疫抵抗性の有無以外に、ウイルス株によっても異なります。一般的には牛疫常在地帯の原産の牛の間では30%前後ですが、この地域に外来の牛が入った場合は80〜90%にも及ぶと言われています。

伝播性や潜伏期間などは不規則で、放置すればどの地域の全ての感受性動物に流行してします。流行における季節的傾向はアジア、アフリカ共に認められていません。ウイルスは発病牛の鼻汁、涙、唾液、尿、糞便に多量に排出されます。特に鼻汁中のウイルス量が最も多く重要な感染源と考えられます。感染経路は、これらの分泌物や排泄物の飛沫の吸入や発病牛との直接接触によります。しかし、ウイルスは体外への排出後あまり長い間は生存しないので流行には感受性動物の密度が要因となります。媒介昆虫は存在しません。

【臨床】
  牛での臨床症状は前駆期、粘膜期、下痢期の順に経過を辿ります。通常2〜9日の潜伏期の後、突然の発熱が起こり、前駆期に入ります。この後、食欲減退、被毛逆立、動作緩慢、沈鬱な様相が現れ、続いて眼瞼腫脹、結膜充血が起こり、水様の流涙は膿様へと移行します。

鼻粘膜には充血及び点状出血が見られ、鼻汁も次第に膿様となります。口腔では、舌、唇、歯齦、咽喉頭部などあらゆる粘膜に充血、点状出血、限局性潰瘍が認められます。この粘膜の糜爛が粘膜期の特徴で、発熱から4〜5日後に始まります。粘膜の糜爛が最初に認められてから2〜3日後に体温が下降し、下痢が始まります。

多量の壊死した粘膜を含む暗褐色の便です。この後、脱水症状を起こし起立不能となり、体温がさらに下降すると死亡に至ります。発熱から6〜12日後の死亡率が最も高く、第3週まで生存すれば死亡せずに回復しますが、完全に復調するまでには何週間も要します。白血球減少は発熱の直前から認められかなり長い間持続します。

【病理】
  肉眼所見:自然感染牛では、頭部や消化管の粘膜に強い出血性変化、壊死、偽膜、糜爛斑など激しい病変が認めらます。特に上部気道での糜爛、第四胃から直腸までの粘膜の充出血、糜爛、潰瘍などが著しく、小腸のパイエル板ではリンパ濾胞、出血、壊死などの病変が見られます。肝臓は黄疸により黄褐色になり、胆嚢は胆汁が充満して膨大し、内壁には偽膜が付着している事もあります。脾臓は初期には軽い腫脹を示すものがありますが、末期には萎縮します。

組織所見:組織学的に著変が認められるのは全身のリンパ組織です。細胞質内と核内封入体を含む多核巨細胞が初期には脾臓の中心動脈周囲やリンパ節の濾胞内に形成されます。その後、濾胞内のほとんどのリンパ球が壊死を起こし、それに伴う細網内皮系の細胞の活性化が認められます。消化管及び上部気道でも、しばしば上皮細胞に封入体や多核巨細胞が見られます。

多量の壊死した粘膜を含む暗褐色の便です。この後、脱水症状を起こし起立不能となり、体温がさらに下降すると死亡に至ります。発熱から6〜12日後の死亡率が最も高く、第3週まで生存すれば死亡せずに回復しますが、完全に復調するまでには何週間も要します。白血球減少は発熱の直前から認められかなり長い間持続します。

【予防・治療】
  予防:過去には、種々の不活化ワクチンが作出され一応の成果をあげていました が、現在では、弱毒性ワチンが世界的に用いられています。
山羊化ウイルス、家兔化ウイルス、家兔化鶏胎化ウイルス(LA株)がありますが、現在は牛腎組織培養馴化ウイルスが広く用いられています。日本では、種々の弱毒性ワクチンが作出され効力を示しました。現在では日本での発症は見られませんが、本病は家畜伝染病予防法で法定家畜伝染病に指定されており、流行流行地域からの家畜や畜産物の輸入は一切禁止され、検疫は厳重に行われ、本病の侵入が防がれています。その上、和牛が牛疫に対し感受性が高いので、弱毒化の進んだLA株ウイルスをVero細胞で培養した培養ウイルス液の凍結乾燥品10万頭分が、国により製造され緊急用としてストックされています。これらの弱毒性ワクチンは熱に弱いことから、アフリカ、東南アジアの流行地で使用する為に、高温に安定な生ワクチンの開発が要望されています。近年、開発された遺伝子組換えワクチンは、弱毒種痘ワクチン牛疫ウイルスの予防抗原遺伝子を組み込んだものであり、極めて高耐熱性を有する事から、この要望に応えるワクチンとして実用化が期待されています。

治療:効果的な治療法は無く、対処療法となります。


【追加で一つ!どぉ〜なってるの?】

  実は、このリンダーペストに関する報告は友人の獣医師の多大なる協力が有って出来たものなのですが、このウイルスは犬のジステンパーウイルスと大変似ていて、以前アフリカのライオンなどにテンパーが流行したのを御存知の方いらっしゃいますか?テレビの野生動物番組などでもほんの少しですが取り上げていたのですが................そこで、今回のリンダーペストとテンパー 何か因縁が有りそうじゃないですか? と言い出したのがこの獣医の先生で、私もうむむっと思い現在調査中です。

◆この先生について詳細をご覧になりたい方はコチラ


 
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